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会社の種類を徹底解説。法人・会社設立を検討中の方に

会社を設立しようとする場合、まず決定しなければならないのが、会社の形態です。

会社と言えば「株式会社」が一般的ですが、この他にも「合名会社」・「合資会社」・「合同会社」の併せて4種類があります。

 

有限会社」という形態に耳覚えのある人もいるかと思いますが、有限会社は平成18年5月の会社法改正により新規で設立することができなくなりました

今回は法人、会社の設立についてをお伝えします

 

まずは4つの会社の違いを表にまとめました。

  株式会社 合同会社(LLC) 合資会社 合名会社
資本金 1円以上 1円以上 規定無し 規定無し
出資者の責任 有限 有限 有限or無限 無限
出資者の公募 不可 不可 不可
出資者の最低人数 1人 1人 2人 1人
取締役 3人以上 なし なし なし
意思決定 株主総会 社員全員の賛成 社員全員の賛成 社員全員の賛成

 

以下、詳しく各会社の形態について解説していきます。

ポイントは

・新会社法以降は株式会社と合同会社が一般的

・合資会社と合同会社が新しく設立されることはまれ

・有限責任事業組合(LLP)という形態もある

 

 

◆会社の種類:株式会社

株式会社は広く一般から出資者を募り、1円以上の資本でスタートすることができる会社です。

株式を発行して、一般の人々から資金を募集するなど、大きな資本を集めやすいのが特徴です。

株式会社の設立には「定款」の認証という行為が必要になります。

定款とは、「会社の決まりごとを記した書類」のこと。また設置機関として、株主総会、業務執行機関としての取締役などが必要になることも覚えておきましょう。

出資者はすべて有限責任となります。

ちなみに株式会社における出資者のことを株主といいます。

会社に対して出資する人(株主)と出資された財産を運用する人(経営者)を分けて考えようとする会社もありますが、一般的に小規模の会社の場合は、「株主=経営者」となる場合がほとんどです。

 

一般の人々から資金を集める場合は株式を公開する必要がありますが、株式を公開しないより閉鎖的な形態も可能です。

株式非公開の場合は一般から資本の募集ができませんので、相応の自己資本を用意する必要がありますし、株式の譲渡に公開した場合よりも大きな制限がつきます。

 

◆会社の種類:合同会社(LLC)

2006年5月の新会社法施行によって認められた、新しい会社の形態でLLC(Limited Liability Company)とも呼ばれます。

もともと、この合同会社(LLC)は欧米などにおいては株式会社に匹敵するほど活用されていた会社の形態で、日本においても有限会社の代わりとして登場しました。

 

株式会社との大きな違いは出資者と経営者が必ず一致することです。

手続面が簡略化され、定款の認証が必要ないなど株式会社よりも設立費用も安いので、法人格だけ必要な場合の設立などで利用されます。

意思決定方法や利益の配分が出資比率によらず自由に決められることが最大の特徴です。

出資者の全員が有限責任社員でありながら、株式会社のように「株主総会」や「取締役会」といった機関設置が必要ありません。小規模企業に最適な会社組織です。

 

合同会社での重要事項に関する決議は、出資者(社員)全員の同意が原則であり、会社の経営に関する意思決定も原則として、出資者全員の過半数の同意により行うものとされています。

つまり出資額に関係なく出社者全員が同等の議決権を持つことができるので、社内の人間関係も考えて設立したほうが無難です。

 

また、合同会社は株式会社に組織変更することも可能です。

まず合同会社ではじめておいて、組織を大きくしたり、外部からの出資を受けたりといった段階になったら株式会社に移行するという手段もあります。

 

◆会社の種類:合名会社

無限責任の社員だけで構成され、原則として社員全員が会社の代表者となります。

無限責任、とは、たとえば会社が多額の借金を抱えて倒産した場合、社員は自分の出資額にかかわらず、全債務に責任をもたなくてはならないというもの。

万が一のときは会社の借金すべてに役員全員が連帯責任を負います。よって家族や親しい知人など、関係の深い少人数で始める事業に適した会社です。 

法律上は正式に「会社」として認められている組織なのですが、皆さんも耳にしたことが無いのではないかと思います。

 

◆会社の種類:合資会社

会社が倒産した時に、無限責任(会社財産で債務を支払いきれない場合、個人の財産を提供しなければならない)と有限責任(自分が出資した額分だけ責任を持つ)の両方の社員で構成される会社です。

ただし、有限責任社員は出資に対する利益を期待するだけの「支援者」の立場にとどまります。合名会社と同様、信頼できる人どうしで設立するのが基本になります。

合資会社は株式会社と比べ、小額資本で設立できる法人として人気があったこともありますが、株式会社の最低資本金が撤廃されたことで、メリットがさほどなくなってしまいました。



以上、4つの会社の種類について説明しました。

現状、新しく設立される会社のほとんどは株式会社と合同会社の2種類です。

2005年の会社法の改正によって資本金の準備がほぼ撤廃されましたし、

合名会社や合資会社は無限責任が発生しますので出資者のデメリットが大きいことが大きな理由です。

 

より多くの資本を集めたい場合や、既にある程度の資本を用意できている場合は株式会社。

より簡易に会社を設立したい、小規模な個人事業者などは合同会社の設立を選択することが多いようです。

 

◆有限責任事業組合(LLP)という形態もある

4つの会社の形態について解説していきましたが、ここでもう一つ、有限責任事業組合(LLP)といったものも紹介していきたいと思います。

LLPも2005年より認められるようになった新しい組織の形態です。

有限責任事業組合という名前の通り「組合」になりますのでこれまでの4つの会社と違って法人格を持ちません

ここが大きな特徴で、法人格を持たないため税制上で大きな違いが生まれます。

 

法人であった場合は、会社の利益には法人税が掛かります。

そして法人税を差し引いた金額を出資者に分配し、出資者はその額に応じた所得税を払うことになります。

LLPの場合は法人ではありませんので法人税は発生しません。利益をそのまま出資者に分配し、出資者は所得税を支払う。

そのため法人税と所得税の二重課税を回避できることになります。

このことをパス・スルー課税といいます。

 

利益が出資者に直接分配されますが、損失が出た場合も原則として直接分配されます。

それでも出資者の所得と相殺される形になるので税制的にはメリットがあるとされています。

 

この他の仕組みとして、出資者全員が有限責任であることや、権限や利益の分配などが組織内部で自由に決めることができるといったことがあります。

この点から合同会社(LLC)と比較されることが多いです。

合同会社(LLC)と比較した場合

・LLCは法人として利益の内部留保を行い、安定的長期的な経営を行うのに向く

・LLPは利益も損益もそのまま出資者に分配されるので期限付きのハイリスク・ハイリターンな事業に向く

と言われています。

 

この点が大きな違いですが、この他には

LLCは株式会社への移行ができるが、LLPは法人ではないため株式会社になる為には別会社の設立が必要であること。

LLCは1人、単独での設立や維持が可能であるが、LLPは組合であるため最低2人は構成員が必要となる点が上げられます。

 

 

◆法人化するかどうかは何で決める?

会社の種類や、メリット・デメリットなどはお分かりになったでしょうか?内部的なメリット・デメリットをお伝えしましたが、税金面での見極めが一番のタイミングです。

なんと、法人化すると、社長一人でも支払う税金は5種類に増えるのです。

フリーランスですでに事業をしている人はもちろん、現在はサラリーマンでこれから独立を考えている人からも、よく聞く悩みが「会社を設立するか、フリーランスとして個人で働くか、どちらがお得か」ということ。

もちろん、ある程度の事業規模になると節税効果が高い場合もあります。

ただ、まず法人設立(法人化、法人成りともいう)をするにあたって、覚えておきたいのが、会社を設立すると、自分は社長であると同時に社員になるということ。

つまりサラリーマンになるのです。

 

社長になると、まず、法人にかかる3つの税金を支払うことになります。

その3つはというと、法人税、法人住民税、法人事業税。また、会社からもらった給料からも天引きをして、所得税と住民税を支払わなければなりません。

 

法人と個人は別人格ですが、実際は社長一人の会社だとすると、今まで所得税と住民税しか払っていなかった人でも最低5種類に増えると思うと面倒な気がしませんか。

それでも、要は、その支払う税金がトータルで見て法人のほうが安ければ、法人化するメリットがあるということです。

支払う税金の種類が増えても、税金が安くなるなら法人化しようという心づもりが大前提となります。

 

◆助成金や許認可の際、法人格が条件なことも

そのほか、介護事業のように法人化すると助成金を受けられる業種や、建設業のように、法人でないと免許の許認可を受けられない業種もあり、

法人化の理由は節税以外にも業種によって違ってきます。自分の事業の今後を見据えて、企業化させるのもアリですね。

 

◆決め手は課税所得400万円、売り上げが年間1000万円を超えたら

個人の場合は、稼げば稼ぐほど税率が上がってしまいます。

それでは、いくら以上の売り上げがあると、法人化したほうが節税になるのでしょうか。

まずは課税所得(売り上げから、経費や控除を引いた額)で判断します。

個人にかかる税金は、最高で所得税40%、住民税10%、事業税5%で55%となります。

 

これに対して法人は、法人税(800万円以上)30%、住民税10%で最高でも40%にしかなりません。

課税所得400万円あたりになったら、法人のほうが安くなる可能性が高くなります

 

また、毎月の利益が50万円を超えているかどうかも1つの基準にしましょう。

これだけの利益が毎年続くような見通しがあれば、法人化を検討し始めます。1人での運営であっても、法人化は可能です。

売り上げで見ると、消費税が課税される1000万円超えが一つの目安です。

 

◆会社と個人の経費をダブルで引ける

法人化すると、自分は社長であると同時に社員になると説明しましたが、実はここに大きなメリットがあります。

サラリーマンは経費が認められないから、自営業者より損だという話をよく聞きますが、実はそんなことはありません。

サラリーマンは最初から、「給与所得控除」という名前で経費ということで、所得から控除がされているのです。

 

その額は、360万円以上660万円以下の収入であったら収入金額×20%+540,000円。意外と大きいですよね。

つまり、法人化すると、会社としての経費はもちろん売り上げから差し引ける上に、社長の給料から「給与所得控除」という経費枠をさらに差し引けるというわけです。

 

「それなら、だれでも法人化したほうがお得でしょ」と思うのは少し早い。法人の場合、利益が無くても7万円の法人住民税を支払う義務があります

 

◆個人では認められない経費が会社では経費に

節税の基本となる経費の考え方についても、認められる範囲が法人と個人では違ってきます。

個人事業の場合、必要経費が会社ほど認められないケースがよくあります。

これは、どこまでが個人で使用したもので、どこまでが事業で使用したものなのかがはっきりとしないためです。

 

しかし会社では、個人と会社が経理上も明確に区分されるため、個人事業では認められない経費が認められます。

その代表例が車や携帯電話。法人名義で購入すれば、購入費用だけでなく、ガソリン代や通話料も100%経費になります

 

そのほか、個人だけではなく、社員であるということで、自分に退職金が払えるし、社員への福利厚生ということで、スポーツクラブの入会金や会費も経費になります。

社員規則や経費精算規則などを作れば、自分に出張日当を支払ったり福利厚生費として、ベビーシッター代への補助を出すこともできます。

 

変わったところでは、生命保険料も経費になります(受取人は会社)

商品によって経費になる割合は変わりますが、個人では生命保険料控除額として処理されるので経費にはなりません。

 

そのほか、会社の赤字を7年間繰り越せる特権もあります。個人なら3年間なので、売り上げのアップダウンが激しい業種であればありがたい制度ですよね。

個人事業の場合、事業主の給料は収入から経費を除いたものなので、収入より経費が多ければ『給料(所得)は無し』ということになります。

これに対して会社組織の場合、人件費は会社の必要経費となります。よって資金繰りの都合がつく限り、会社が赤字のときでも給料を会社からもらうことが保証されています。

 

◆会社設立をすることで、発生する費用

法人化するデメリットもそこそこあるのが現状です。

まずは、会社設立自体にかかる費用。株式会社を設立するには、定礎認証手数料、印紙代、登録免許税などの法定費用を払う義務があります、これらがざっと20万円ちょっと。手続きをすべて司法書士に頼むと、さらにその報酬が上乗せされて25万円~30万円は必要になります。

また、一時的とはいえ、資本金も必要です。会社法上は、資本金1円でも構わないのですが、運転資金として最低100万円程度は用意する必要があるでしょう。

 

個人から法人になると、自分が社長であり、社員であるという話をしていますが、社長の給料は、実は最低でも決算期間内は変えられません。

売り上げが上がってきたからといって、途中で給料をUPさせようといった融通が利かないのです。

また、役員はボーナスをもらっても会社の経費にはならないことも覚えておきましょう。

 

また、大きいのが社会保険の整備です。

個人の時は、国民健康保険と国民年金に加入していましたが、会社員になったのだから、基本、会社として、健康保険と厚生年金、労働保険に加入しなければいけません。

しかも、健康保険と厚生年金は保険料を社員と会社が折半することになっています。

その負担は、例えば給料100万円なら、健康保険と厚生年金保険料の会社持ち出しは約8万円。

いずれは社員も採用しようというなら、こうした整備は大事なことですが、経営が厳しい時には、大きな負担になります。

 

法人化のメリット・デメリットをずらーっと紹介いたしました。

事業を拡大していきたいのであったら、いつかは通る道です。

デメリットをくよくよ考えずに、前向きに何が得てみてはいかがでしょうか?

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