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青色申告の悩みが相談できる青色申告会とは?詳しく紹介します

◆青色申告の相談ができる場所が欲しい!

開業するにあたって、まずは青色申告をするつもりで申請書を提出された方。

数年白色申告していたけど青色申告に変更しようと思っている方。

また、とにかく分からないので税理士さんにほぼ丸投げしているけど自分で帳簿管理をして費用を浮かせたいとお考えの方。

様々な状況の人がいるとは思いますが、帳簿付けや確定申告は必須の業務。

なんとかこなさなければいけませんが、特に開業初期は分からないことや不安がつきまといますよね。

 

記帳や青色申告の仕方がそのものがよくわからなかったり、

税金について相談したいけれどどこに相談すればいいか分からない…という方は、

これからどんな手続きが必要か、記帳の方法が今の知識で足りるのか、

あるいは納税までの流れがイメージできなくて不安に思っているかもしれません。

便利な会計ソフトや書籍を買ってしっかり勉強したとしても、初めての青色申告を一人でやると考えると不安になるもの。

間違いがあったら延滞分の税金が発生したり、せっかくの青色申告の特別控除が無くなってしまうのではと心配になってしまいます。

 

そこで、お勧めしたいのが「青色申告会」です。

その名の通り青色申告を行う個人事業主や中小企業主などで構成されている団体で、

会費を払えば、気軽に青色申告についてのアドバイスを受けることができます。

 

今回はこの「青色申告会」について詳しく紹介します。

・青色申告会は青色申告を行う個人事業主・企業経営者による社団法人

・各地の税務署の区分けごとに青色申告会もある

・青色申告者と青色申告をしようとする人であれば入会可能

・会費制で会員になる必要がある(会費等は各申告会で異なる)

・青色申告とそれに関わる記帳作業などのついて個別相談ができる

・会員限定の専門家への相談会なども開催

・会員向けの積立や福利厚生などの制度があるところも

 

このような活動をしている青色申告会ですが、

青色申告に不安のある方は一度加入を検討されてみてはいかがですか?

それでは詳しく見ていきましょう。

 

 

◆青色申告会とは何?

「青色申告会」は青色申告を行っている個人事業主や小規模事業者で構成される一般社団法人(納税者団体)です。

全国各地に3,000会以上、100万人を超える会員がいます。

青色申告をしているすべての人が義務で入るものではなく、入会費や年会費を支払って任意で加入ができる団体です。

 

正しい申告・納税を進め、公平な税制の創設、社会保障制度の改善を要望し、税制史上数々の成果をあげている青色申告者の頼れる兄貴分的な存在ですね。

日本の青色申告会は、納税者と税務官吏が一体となり、脱税もなく、適正に税法を機能させる努力をしています。

税務署以外に相談出来る窓口という位置づけと考えてもいいかもしれません。

 

青色申告会は、青色申告をおこなう個人事業者を会員として、会員からの会費により運営されています。

役員は会員から選ばれ、ボランティアとして青色申告会の運営に携わっています。

 

 

◆青色申告会の成果

青色申告会の税制改正運動がはじまったきっかけは、

「正直にマジメに帳簿をつけても、白色申告者より税金が高くなるのはバカらしい」という会員の声をうけて、

「正直者がバカをみない税制の確立」のためだったそうです。

 

「仕事をする家族への給料を経費として認めてほしい」という思いは、青色事業専従者給与として認められ、

いまでは当然のこととして多くの青色申告者が利用しています。

 

他にも、2004年には今までの特別控除額55万円を65万円へ引き上げに働きかけるほか、

2016年には個人番号(マイナンバー)を記入する税務関係書類の大幅削減にも動くといった活動をするなど、

いわば青色申告者たちの要望の代弁や、その要望を実現するための活動もしているのです。

 

 

◆青色申告会のサポートは実にさまざま

全国各地の青色申告会ではさまざまな独自サービスが展開されています。

大きく分けると全国青色申告会総連合会(全青色)、都道府県の青色申告会連合会、市区町村の青色申告連合会の3つがあり、

各会で事業活動が行われています。

 

個人事業をしている中で出てきた困りごとの相談ができることはもちろん、融資や保険の紹介もしてくれます。

各地の申告会で活動内容は様々ですがこちらでは東京都内の申告会から一部を紹介します。

 

 

〇記帳・決算・申告の相談

個人事業主の記帳から決算・申告のお手伝いは青色申告会の得意分野です。

地元の事情や業種ごとの特徴などを踏まえて、親身に相談を受けてくれます。

 

手書きや会計ソフトなど記帳方法の種類は問わず、教室形式での研修会なども開催しているようですが、

一人一人の個別相談にも対応してくれるのがうれしいところです。

 

所得税・消費税などの決算書、申告書の作成をお手伝いしてくれたり、e-taxの代理送信までやってくれるところもあります。

申告書等の清書や税務署に提出する手間も省けますね。

 

ある程度記帳の知識はあるけれど、初めての青色申告で不安がある、

会計ソフトを使っているけれど簿記の知識も身につけておきたい…

といった方は、青色申告会で記帳指導してもらうとよいかと思います。会費を払えば無料ということも、とてもうれしいポイントですね。

 

 

○節税、経営の相談

税理士や弁護士、ファイナンシャルプランナーなどの専門家を紹介してくれることや、

税理士、弁護士への無料相談会なども開催してくれます。

 

開業したばかりでお金を払って税理士に相談する余裕がなかったり、どの税理士事務所に相談すればいいか分からない時は、青色申告会で相談してみることをおすすめします。

独自の方法で見切り発車で納税をして結局、ドタバタして追加納税…だと悔やみきれませんからね。

分からないことはなるべく早く、税理士に相談して正しい知識で申告しましょう。

 

 

〇親睦・異業種交流

青色申告会に入会している多業種にわたる会員同士の親睦や異業種交流をしている地域もあります。

研修旅行やレクリエーション、サークル活動なども実施しており、

青年部や女性部の集いや地域のイベントへの団体参加などを通じて、交流範囲も大きくなるかもしれません。

 

 

〇会計ソフト「BLUE RETURN A」の販売

個人の青色申告者の利用に特化した会計ソフト「BLUE RETURN A」を会員に限定して販売しています。

記帳から青色申告決算書の作成、そして所得税と消費税の申告書等の作成をひとつのソフトで対処でき、イータックスにも対応しています。

「ブルーリターンA」は27,000円(税別)で導入可能で、約10万人の会員が使っている好評のソフトです。

 

 

〇各種テキストの販売

個人事業者むけの簿記の独習用テキストの用意も充実しています。

また、毎年の税制改正を反映したハンドブック、青色申告会員必携を毎年発行しています。

 

 

〇機関誌「BLUE RETURN 青色申告」の配布

個人事業主に関係する制度の解説、様々な地域の青色申告会の活動などを掲載した、機関誌「BLUE RETURN 青色申告」を発行しています。

 

 

〇融資、福利厚生などの紹介

日本政策金融公庫などの融資制度の斡旋をはじめ、低金利で受けられる国・都道府県・市町村の融資制度の取り扱い、労働保険事務の代行も行ってくれます。

万が一の事態に備える補償(保障)については相互扶助制度の用意があります。

また、事業主や従業員の退職金制度、貸倒のリスクに備えた共済の加入窓口にもなってくれるのです。

 

しかも、青色申告会の会員になると、会員相互の助け合いによって成り立っている「青色共済」という保険に加入することができます。

「青色共済」は毎月1,000円(年齢問わず)の保険料を支払うことで、病気や事故、火災などによる入院・死亡時のお見舞い金が支給される保険制度です。

 

 

○健康診断

会員を対象とした集団健康診断として「青色ドック」を受けることができます。

1万円ほどで健康診断を受けることができ、追加でいくらか支払えば乳がんや脳ドックなどのオプションもつけることができます。

 

 

〇お得な加盟施設割引

思ってもみない特典ですが、加盟の宿泊施設・レジャー施設・娯楽施設などで会員割引が受けられるのです。

サンリオピューロランドやディズニー、東京ドームなど色々な施設で優遇されますので、青色申告会の年会費以上にお得を得られるかもしれません。

 

確定申告や税務にまつわる相談や学習支援だけでなく、個人事業者の事業や生活をサポートする互助会のような側面も青色申告会にはあるんですね。

各会の活動内容が気になる方は、是非お住まいの都道府県・市町村の青色申告会にお問い合わせなさるか、ホームページ等をご覧になって下さい。

 

 

◆青色申告会に入会する資格や、会費

青色申告会は、青色申告をする人を対象にしています。

青色申告をしている個人事業主や、次回から青色にしようとしている方も入会できます

 

入会は会費が必要で、入会費と月もしくは年会費が掛かります

金額は加入する青色申告会によって違いはありますが、

入会金は0~12000円程度、月会費が1500円~3000円程度(年会費で表記のところもあります)。

 

この入会金と会費は全額必要経費で計上できます。

科目は組合などの諸会費ですので「租税公課」になります。

 

一部地域を除き、青色申告会は全国各地の税務署ごとに組織されています。

青色申告会の会員となるには最寄りの青色申告会事務局に問い合わせる必要がありますので

お近くの青色申告会を探してみてください。

「一般社団法人全国青色申告会総連合」 http://www.zenaoirobr.jp/

(サイトの窓口検索から、お住まいの地域や、地域から近い青色申告会を探すことができます。)

 

 

◆青色申告会以外に相談できる場所はないの?

これまで、青色申告会の活動内容や入会の仕方について説明してきました。

ここまで読まれた方の中には単発のポイントで相談にのって欲しいとか、

できれば会費などなく無料でと思った方もおられるでしょう。

 

そういった方は各自治体の税務署や地域の税理士会の開催する税務相談会に参加するといった手段もあります。

自治体開催の相談会は基本的に無料で地域の人は参加可能です。

 

青色申告会に加入するのと、税務相談会に参加する、それに加えて税理士に個別に依頼する場合のポイントを挙げていきます。

自分の利用しやすいものを選ぶ際の参考にして下さい。

 

○青色申告会

  • 個別の相談も受けてくれる他、記帳方法の講座といったセミナーなども開催される。
  • 会員限定の税理士・弁護士・社労士などの専門家の相談会も開催される
  • 会員向けの融資や福利厚生なども用意されている。
  • 会費は月1000円から、初年度の入会金と合わせても1年に数万円程度の出費で利用可能。

 

○税務相談会

  • 自治体や地域の税理士会が主催するものがあり、無料で参加できる。
  • 開催は年に数回、自治体主催のものは確定申告時期前の1月後半が主。
  • 税理士会の場合は常設の電話相談を設けている場合もあるが、こちらのタイミングで相談は難しい。
  • 相談できる内容は一般的な内容に限られ、個別具体的な内容には応えてくれない。
  • 限られた時間で全ての人を対象に開催されるため、1人あたりの相談できる時間も短くなる。

 

○税理士にお願いする

  • 専門家であるため信頼性は高い。
  • 帳簿のチェック等が必要なので確定申告時だけといったスポットでの依頼は受付けていないことが多い。
  • 月1回程度の訪問とチェックといった内容で、年間数十万程度の料金が発生するのが一般的。
  • 帳簿の仕訳や確定申告、法人決算といった実作業もお願いすると料金はその分追加される。
  • 金額を気にしないのであれば会計業務を一任できるので一番楽で時間の節約ができる。

 

利用頻度が少なそうな場合には税務署の相談受付を利用するのも一つの手段です。

しかし、青色申告会でも弁護士の方への無料相談や最大限に活用すれば、お値段以上の満足感は得られます。

無料の相談会よりもより具体的な相談も可能ですし、税理士と顧問契約するよりも年会費を支払って無料相談を利用するほうがお安いです。

 

記帳指導や税務相談のサポートを受けられるだけでなく、会員同士のつながりも生まれるので、

異業種の方とのコミュニケーションがとりたいとか、人脈を拡げたいと考えている人には青色申告会は大きなメリットがあるでしょう。

青色申告を軸にした個人事業主や経営者のコミュニティということで、申告以外にも様々な面で事業主には心強いかもしれません。

興味がでてきたという人はお気軽に一度最寄の青色申告会に問い合わせてみて下さい。